ロボコン。

いやはや、大学ロボコンには、世界大会ってのがあったんですな。寡聞にして知りませんでした。
今年の世界大会はクアラルンプールだって!どこだかサッパリわからん*1が、なんかすげぇ!


っと、これではいくらなんでも何の話かわからないだろうと、ちょっと調べてみました。
ロボコンってのは、理工学系の学生の自作ロボットによる統一ルールでの競技会で、けっこう昔からNHKで放送されてます。
大ざっぱに言うと高専高等専門学校ロボコンと大学ロボコンの二つがあって、高専ロボコンは特に、各地方大会を勝ち上がったチームが全国大会で覇を競います。最近は映画の題材にもとり上げられ、「理系の甲子園」などとも言われてますな。
大学ロボコンのほうは、ABUロボコンの日本代表選考会って意味合いが強いようです。ABUとは、アジア太平洋放送連合の略…なんだが、エジプトとかも参加してるようで。


今回テレビ放送されたのは、この大学ロボコンのほう。今度のABUロボコン決勝大会がマレーシア・クアラルンプールということで、競技内容も同地の新シンボルとして知られる*2「ツインタワー」になぞらえたものになっていた。ちなみに去年の北京大会のモチーフは「万里の長城」だったそうな。
んで、この世界大会…公式サイトでも記録がまとまってないみたい(ていうか正式な公式サイトは英語!)で正確にはわからんのだが、国内大会では東大が目下2連覇中。昨年はABU大会も制したそうな。ふむふむ、さすがは東大。なーんて思って見ていたら…


すげーよ!なんかシュルシュルって動いてガチガチってブロック積んじゃったよ!!


あー…。
ルールを一から説明するのがしんどいんですよ、ロボコンて。毎回変わるし。
がんばっておおざっぱに解説しておくと、今回は「ツインタワー」がモチーフということで、各チーム1本ずつのタワーと、それをつなぐ渡り廊下の意味のポールが3本。この5本のポールにブロックを積み上げることでポイントを競うわけです。

…ダメだ!文章だけで伝えるのは無理!!
>□□□□□□□□□□□□
>□□□□□□□□□□□□
■■■■■■■■■■□□□
□□□□□□□□□□□□□
★□□○□□◎□□○□□★
□□□□□②④□□□□□□
□□□■■■■■■■■■■
□□□□③□①□□□□□<
□□□□③□□□□□□□<
無理矢理図解。
フィールド全体は逆S字状で、各チームは逆Sの両端からスタート。■は進入禁止ゾーン。ここの中にロボットが一部でも接触するとペナルティだったり失格だったり。*3
★が各チームのタワー。ここは1ブロック積むごとに1点。ブロックは最高8個積むことができる。
○と◎は渡り廊下。○は2点、◎は5点。それぞれブロックは3個まで。
そして、自軍側の★○と◎に全て(○と◎については2個以上)の自軍ブロックを積むと「Vタワー」となり、問答無用で勝利!
①〜④については後述。
で、□の部分で行動(ブロック積んだり相手を妨害したり)できるのは自動ロボットのみで、操縦ロボットは外周を移動して、★にブロックを積むのみ。つまり、各チームは2台の全く別のロボットを作ることになるわけです。


…ね、伝えるの大変でしょ(苦笑)?これでも、今回のルールはだいぶわかりやすいような気がするんだが。


で、せめぎあいはやはり◎部分になるわけですよ。各チーム、スピード勝負で◎を確保し、高得点を稼ぐと同時にVタワーを狙う、という展開。
まさかレビューを書く気になるとは思わなかったので各マシンなど見た端から忘れていった(失礼)のだが、決勝を争った東大と東京農工大の2チームはアレだね。速さと正確さが違ったね。


東京農工大(便宜上、下からスタートってことでよろしく)は、①地点に移動させて■越しに◎を確保する自動ロボットの速さがダントツ。さらに妨害アーム(射出式の釣り竿)を伸ばすことで、中央部のイニシアチブを開始からものの数秒で確保してしまうという戦慄のスピード!!
…なんだけど、上の*3でも書いたように、これってルール違反じゃなかったのかなぁ?それとも、ボクが何か思い違いをしてるんだろうか。
それはさておき。
対する東大(同様に便宜上上からスタートってことでひとつ)は、扁平なかたちをした自動ロボットの1体が素早く②地点付近に移動し、吸盤で固定。ローラーやキャタピラ、ベルト等で移動してくる敵の自動ロボの行動を大幅に阻害する。この小型妨害ロボが、試合開始と同時にスタートエリアを飛び出し、ものすごいスピードでS字のヘアピン部をコーナリングして妨害地点に吸い着く様もまさに圧巻!しかも、どうやらこの妨害地点はセッティングで随意に変えられるらしく、敵の自動ロボの出足が遅いときには、図の③地点まで進出するという汎用っぷり!!偉い!そしてかわいい!
この2チームで決勝になったのもうなずける安定感で、このロボットの信頼性は他のチームと比べて数段上のレベル*4だったように見えた。


さて決勝、東京農工大の①地点確保には間に合わないと判断したか、東大は妨害ロボの吸着地点を④に設定。さらに、あらかじめ審査を受けて使用許可をとっていた屋根型のパーツを装着。おぉ、そうきたか!
…んが、東京農工大の進撃を阻むにはいたらず。ディフェンディングチャンピオンであるところの東大は受け身に絶対の自信を誇るあまり、強襲主義の東京農工大の進撃にわずか半歩を譲る形で敗退。まこと、前年度世界制覇国・日本の代表を決定するにふさわしい、手に汗握る白熱の決勝戦でありました。
勝利した東京農工大チームは
「世界の舞台で、東大ではなく日本の大学が強いんだということを証明します」
と力強いコメント!これまたあっぱれ!


これは余談だが、東京農工大はもうひとつ、意表を突く妨害ロボットを用意していた。
今回ポールに積み上げるブロックはコの字型をしていたため、完全に固定できるわけではない。そこに目を付けた東京農工大、超強力な送風機を内蔵した小型ロボを制作!ちょこまかと移動(競技フィールドをグリッド状に仕切った白線をセンサーで捉えて制御しているらしい)して敵タワーの直下につき、全長30cmにも満たないようなその小さなボディから驚くほどの強風を噴射!一度は、敵タワーをなぎ倒す大活躍を見せていた。
こいつもすげー!


いや、例によってこんなに長くなるとは思わなかった(苦笑)。
最後に、見事日本代表の座を勝ち取った東京農工大のみなさんに、祝福と壮行の意味をこめてこいつを。
http://www.youtube.com/watch?v=CBUnFJxcwvk
(TVK・saku-sakuより/東京農工大学のうた)
バーイッ!オーッ!!

*1:マレーシアでした

*2:俺は知らんぞ。

*3:公式ルールを見た限りでは上空も進入禁止だったはずなんだけど、東京農工大のロボットは後述するようにここを越えていたような…?

*4:高専ロボコンなんて、開始地点から一歩も動けないロボットもざらにいたりする。チームは悔しいだろうし見てても痛々しいんだ、これが…