全日本プロレス最近の動向。

  • RO&D解散に立ち会えなかった俺には、何も語る資格はありません。


以上です。
とは言え、ウチは全日本プロレス関連での検索で来ていただく割合が高いようなので…僭越ながら、公式携帯サイトからの情報を主に、鈴木みのるの三冠奪取・RO&D解散以降のトピックをまとめてみます。
ちなみに、全日公式は有料ながら更新も早く全試合の詳細が読めるので、興味があって月額315円が苦にならない方にはおすすめです。ビッグマッチやファン感興行の先行予約もできるしね。
と言っていたら、12月の年内最終興行がまさにファン感になるらしい。

史上最も性格の悪い三冠王者鈴木みのるに対し、ブードゥー・マーダーズ(以下VM)のTARUが「悪の団結」を呼びかけるも、みのるは
「俺はよってたかって弱いものイジメをする奴らが大っ嫌いなんだよ!」
と、これを拒絶。『お前が言えた義理か?!』とツッこみたいところだが、考えてみればみのるは「よってたかって」のイジメはしていない…というか、慕ってくるNOSAWAやMAZADAにまでイジメを敢行するというイジメっ子っぷり。これはこれでスジは通っているか。
と、勧誘を一蹴されて、怒ったのはRO&D解散のきっかけであり、VMの新戦力であるRO'Z。TARUもRO'Zを引き抜くのに「三冠挑戦」をエサに使ったこともあり、RO'Zの炎上は大歓迎。RO'Zを筆頭に、VM総軍によるリング内外を問わないみのる襲撃が乱発される。
王者・みのるもこれを受け、RO'Zの王座挑戦を認めるとともに独自の報復を開始。会場前の駐車場でRO'Zに制裁を加えるなど、互いの暴行は相乗的に激化の一途をたどっていった。
「三冠ベルトの権威が著しく損なわれている」と事態を重く見た渕取締役は緊急役員会議を召集し、三冠戦では2人のサブレフェリーをつける3人体制を採用、全日本隊による会場内の警備も厳命された。
戒厳令下で行われた鈴木みのるの初防衛戦だが、今や傘下に日本人選手3人、外国人選手3人とリーダーのTARUを加えて7人という構成員を擁するVMは、やはり試合中にリングを襲撃。いったんは控え室に退けられたものの、執拗なTARUは警備の網をくぐって潜入に成功。鉄パイプでみのるを殴打し、RO'Zの王座強奪を援護した。
巨漢RO'Zのギロチンドロップやテーブル上でのボディプレスに苦しめられたみのるだったが、初公開のスイング式DDTを披露。ゴッチ式パイルドライバーからのスリーパーホールドの鉄壁の連携につなげ、激戦・乱戦に終止符を打った。
三冠王座の初防衛に成功したみのるは武藤、小島の名前を挙げ、「そろそろ取り返しに来い」と挑発。シングル未対決の武藤、チャンピオン・カーニバルでドローに終わった小島との完全決着を望む姿勢を見せた。
なおこの挑発へは、目前にせまった最強タッグの影響もあり、武藤や小島からは目立ったリアクションは起きていない。みのるは業を煮やし、防衛戦の行われた福岡から東京まで、三冠ベルトを宅配便で送付するという憤飯もののパフォーマンス。さらに
「権威とか関係ない。『戦い』の渦中に置くことでベルトも歴代王者も喜んでいるはず」
と、更なるアジテートを繰り返している。

  • もう一人のチャンピオン・世界ジュニア王者、近藤修司

両国大会ベストマッチとなったカズ・ハヤシとの超激戦の末に世界ジュニア王座を死守した近藤は、VM軍リーダーTARUの「これからはグローバルや」という方針のもと、他団体への侵攻を示唆。が、ここに、鈴木みのるに私淑するNOSAWA論外が挑戦を猛アピールした。
しつこくまとわりつくNOSAWAについて、近藤は「キレてないですよ。俺をキレさせたら大したもんですよ」と長州モノマネであしらう余裕の態度。が、前哨戦となるタッグ対決で、NOSAWAに丸めこまれてまさかの直接敗北。「俺はキレた!キレさせたんだから奴は大したもんだ。殺す!」と激怒する。近藤の怒りは乱闘襲撃に発展し、控え室で灯油をかけられたNOSAWAがあわや焼殺寸前とまでエスカレートしていった。
そして迎えた世界ジュニア王座戦は、NOSAWAのシャイニング・ウィザードがファーストヒットを見せたものの、近藤の盟友brother"YASSHI"らが当然のように介入し、近藤の圧倒的なパワーが試合を支配していく。NOSAWAは新技・パトリオット(ラ・マヒストラルからの腕十字)で近藤の虚を突く作戦にも出たが、全日ジュニア絶対王者・近藤の牙城は崩せず、爆腕キングコングラリアットの前に沈んだ。
試合後の近藤はいよいよ完全制圧した全日ジュニアから他団体への進撃をアピールするが、そこに突然
「ワシもベルトがほしくなった」
と、brother"YASSHI"がまさかの対戦希望を持ってきた。近藤は
「やってもいいけど、殺すよ?それでもよければ、全日での思い出づくりに、二人でタイトルマッチやるか」
と、なんとあっさりこれを受諾!全日サイドとしても現王者が挑戦を引き受けた以上、王座戦の開催を拒む理由はない。前代未聞、同軍同士のタイトルマッチが決定的となった…

左眼眼か底骨折により長期に渡り戦線を離脱している佐々木健介は、年内の復帰が絶望的。健介は愛弟子・中嶋とのタッグでアジアタッグ王座を保持していたが、12月早々に王座の防衛期限が切れることを受け、潔く返上を決意。
返上されたベルトを受け取った渕取締役は同王座の決定戦開催については明言せず、健介の復帰を待つ意向もほのめかした。

  • 歓喜と悲哀と・中堅戦線異状あり

雷陣明が訴える「中堅活性化運動」は、雷陣が自身のデビュー以来2年のキャリアで初となるシングル戦での勝利を平井伸和からスコアしたことで、新たな局面を…迎えそうで迎えていない。雷陣の気合いだけは間違いないのだが、「平井さんや土方さんに火をつける」と朴訥に繰り返す雷陣の、具体策がなかなか見えてこないのが原因か…。
と、状況が停滞気味なところに、思わぬ方面から可燃物が投げ込まれた。VM軍のTARUが、唐突に彼ら「中堅」に「不要論」を叩きつけて挑発してきたのである。
「全日本、いらん奴らおるやろ。平井、土方、雷陣、荒谷。こいつら、誰がどう見てもいらんやろが。ワシらがリストラしたるわ」
熱をはらみながらも着火点が見つからぬまま推移していた中堅戦線。VM軍というこれ以上ない「着火物」を得て、ついに燃え上がるか?

全日本プロレス年末の風物詩、世界最強タッグがいよいよ19日の後楽園大会から開幕。12月2日、静岡の浜松市体育館での優勝決定戦までの祭典が始まる。
今年の出場チームと、概要は以下の通り

三冠王者は押し掛け弟子をパートナーに指名。NOSAWAは期待に応えられるか。

言わずと知れた、ともに「三銃士」「四天王」として一世を風靡した二人。いわば日本マット界のリビング・レジェンド同士の合体は、大会随一のインパクトを誇る。

こちらも言わずと知れた、名タッグと名高い「テンコジ」がこの舞台で再結成。小島は「かつてのテンコジが最大のライバル」と意気ごみを見せる。

先日のWWE日本公演で、盟友ジャマールと再会した二人。受難を経て絆はいよいよ深まり、この大会を「VMとの最終決戦」と位置づける。

全日本屈指のパワータッグ。最強タッグのみならず世界タッグ王座へも色気を見せるVM軍の二人に、リーダーのTARUはどんな悪謀を授けるか。

世界ジュニア王者・近藤に敗れたカズ、健介とのアジアタッグ王座をやむなく返上した中嶋。タイトルへの執着は言わずもがな。体格こそジュニアだがスピードとテクニックがヘビー級にも通用することは毎シリーズの闘いで保証済み。

なんとVM移籍後は無敗という不気味なチーム。すでにタッグ歴は古く、現役タッグチームとしての連携は十分。


なんと言っても二つの大型タッグ、武藤&川田組とテンコジがひときわ存在感を放つ。が、武藤と小島との対戦を口にした三冠王者鈴木みのるにとっては、この二人が注目されればされるほど「おいしい」はずだ。また、諏訪魔&RO'Z組は早くからこの最強タッグを視野に入れた発言を繰り返していた。タッグ対決という夢の祭典の向こうに、それぞれの思惑が複雑に絡んだ光景が見える。
ジュニア勢の参加も多い。現在のプロレス界はヘビー/ジュニアのワクを超えた展開が目立つが、三冠王者の片腕に指名されたNOSAWAやVMへの復仇に燃えるTAKA、ジュニア同士のタッグで挑むカズ・中嶋らは、この「時勢」のなかでどんな闘いを見せていくか。

  • ムタの行方・急接近するふたり

両国大会で幻想的な初対決を終えた、グレート・ムタTAJIRIが、タッグ結成という奇妙な接近を見せている。
武藤はこれについて、
「善に見えて悪のムタと、悪のようで実は善のTAJIRIが組むのは面白い」
と非常に前向き。すでに両者の「融合」は済んでいて、小島&カズ組を相手にダブルの毒霧やタランチュラの競演を見せるなど滑り出しは上々。試合後、ムタは
「アイルビー・バック、イングランド!」
と、海外への飛躍をにおわせる言葉を残している。
TAJIRIのほうも試合中にムタを「親方!」と呼ぶなど親密度はかなりのもので、サムライ!TV特別番組での武藤との対談中に、なんとムタを「ハッスルマニア」に勧誘。代理人として聞いた武藤は
「ムタはイギリス行きの準備中だよ」
とやんわりと否定したが、しつこさには定評があるTAJIRIが簡単にあきらめるかは不透明。「融合」を果たした両者の関係は、これからどうなってゆくのか。

  • 終わりに・これもひとつの「LOVE」ゆえか

これだけ書いといてなんなんだが…どれもこれもあんまりピンと来ないっていうか(苦笑)。理由まで書くとくだくだしくなるので略するけど。
それにしても、現在の全日本におけるVMの存在意義は、これはとにかくすごいものがあるね。非VMなる全てのファクターを向こうに回しての、堂々たるヒールっぷり。さらにはエルドラドや新宿カスヤロープロレスという自分たちが中心の興行に加え、新日本のレッスルランドやノアのプロレスリング・セムなど他団体へもVMとしてのいわば「出張ヒール」など、その活動エネルギーは無尽蔵とさえ思える。
一方で、押しも押されぬ大ベビー・佐々木健介は少なくとも年内の復帰は無理なようだけど、これが復帰したらまた大きな大きなヤマが動くことは間違いないだろうし…盛り上がるのは嬉しいけど、ゲスト頼りだなぁ。三冠王者もみのるだしね。最近の流れにピンとこなくなってきたのは、そのへんに気づいてしまったからなのかも知れない。
がんばってくださいよォ、全日本!!