4・15全日本キック

珍しく仕事が忙しくて観戦記書いてる時間があんまりありませんでした。
ところで今まで夜勤だったんですが、明日から日勤になります。知らされるのが3日前ってどういうことだ。

  • 待ち合わせる気持ち

オープニングファイトにギリギリ間に合う時間に後楽園到着。高倉仮面id:Mask_Takakura師に送信したメールの返事が来ない。
>どれくらいに着きそうですか?
>チケットはどうしますか?
仕方がないので、17:30ちょうどくらいにホール下に到着したが連絡待ち。
メールはこない。
携帯に電話をしてみる。出ない。
まさかと思い自宅にも電話。出ない。
30分待ったがいっこうに連絡が取れないので、仕方なく自分のぶんだけチケットを買って入場する。イス席\6000からかよ!高ぇよ!
正直、この日のカードでこの額は納得いかん…立ち見も\4000とは。全日本でこういう不満は珍しいので一応記載。

  • めぐりあいは偶然に

チケット+パンフで\7000。今月は財布が薄いので、小林聡の本は見送り…って、\2000もしないんだから、今思えば買ってもよかったような気はする。が、チケ代のせいで財布のヒモが固くなっちゃってて。
やりきれない思いのままスタンド席に入ると…あれ?あそこでホットドッグ食ってるのはフリフリid:frigidstar君じゃないか。
久しぶりに会ったのでダベりながらオープニングファイト第三試合の後半を観る。
あれ?今日は18:30開始だったのか。じゃあもう少し待てばよかったかなぁ。
フリフリ「自分、これからバルコニー行きますから」
そうか…んじゃま、壁際の席だし俺はここでゆっくり観ますか…
…ん?
バルコニーにいるの、ありゃ師じゃねぇか?
うぉーーーーいっっ!!

  • すれ違い・春

P「どーしてメールも電話もくれないんですかっ!」
師「まぁまぁ、いいジャン」
P「下で待ってたんですってばよ!」
師「まったくPON君はうるさいなぁ…あ、ほんとだ。着信がいっぱいある」
P「(絶句)」
師「それにしてもねェ、さっき食ってきたハンバーガーがね。ハンバーガーとドリンクで\2500もしたんだよ。どういうことだよっ!」
P「…今度から、先乗りしてもチケット買っておきませんからね。人気興行で安い席売り切れたら、特リンでもなんでも自分のぶん買って後から来てください」
師「イヤイヤ、それは困る!」
P「だからどーして連絡くれないんですかってば!」
師「PON君はホントにうるさいなぁ…(携帯を)コートのポケットに入れてたから気付かなかったんだよ。あ、チケットはこれからもよろしくね」

気を取り直して、さぁて第一試合。どうなることか…と思っていると、互いのパンチが同時に当たって両者ダウン!すぐさまがばッと跳ね起きた水落の
「うっひょー!当たった!当てられたけど当たった!」
みたいな表情が印象的でした。

  • 第2試合○白川裕規(判定2-1)佐藤皓彦●

この試合はミドル級王座決定Tの準決勝。
佐藤が単発の打撃で距離をとりにいくが、白川は間合いを潰すとパンチの連打。天秤の針が傾ききらなかった内容が、そのまま判定結果に繋がった感じ。負けた佐藤の頬をJMC横浜ジム総帥がリングサイドでシバく愛の鞭…
勝った白川は、5・11後楽園で行われるもうひとつの準決勝、中村高明‐吉武龍太郎の勝者とミドル級王座を争うことになった(当初中村と対戦予定だった江口真吾はケガのため棄権)。

  • 第3試合○割澤誠(判定3-0)魂叶獅●

へぇ、所属は全日本だったのかぁ…と思うほど、他団体での活躍が目立つ魂叶獅。一階級上のベテラン、割澤との一戦は、両者の中間となるSフライ級戦として位置付けられた。
…が、蓋を開けてみれば実寸の8cm以上に大きく見える身長差をベテランの業で活かしまくった割澤が、魂叶獅をほぼ全局面で押さえ込むという内容に。圧倒的な大差といえるかどうかは微妙だが、フルマーク判定には納得。

  • 第4試合・全日本対WSR三番勝負○寺戸伸近(判定2-1)長崎秀哉●

寺戸に冠せられた「闘う伊藤英明」というフレーズを見て、シャバの流行りにまったくついていけてない自分を再確認。誰それ?
しかし、華麗なテクニックや図抜けた破壊力という現キック界の流行りにまったくついていく気のない男がここに!青コーナーの長崎である。
間合いに合わせて的確な打撃を当てにいく寺戸に対し、フットワークも何もなくただただ前進して、体勢が崩れるのもお構いなしにパンチにキックを振り回す長崎。技術対本能というか、理性対直感というか。
本来は寺戸も勢いに乗ったときは気迫に満ちたラッシュを見せる野性味あふれた選手なのだが、長崎の規格外な攻勢を前に、今一つ波に乗ることができない。自らの攻撃でバランスを崩すなど粗い部分の目だった長崎だが、判定はスプリット。現在期待度ナンバーワンと言える寺戸が相手だと考えれば、大健闘と言っていいかもしれない…
なんて、もし聞こえたら本人は不服なんだろうけど。

赤羽という選手は、何だか妙に気になる選手だったりする。そのスタイルは…言ってみれば、前の試合の長崎秀哉をさらにネチッこくしたような感じ。
打たれても蹴られてもひたすら前進、何発何十発のパンチを顔面に浴びて顔を真っ赤に腫らしても、遮二無二相手にむしゃぶりついてヒジとヒザで攻め崩す。肉を切らせて骨を断つというか、血を流させて心を折る…というか。
しかし、そんな赤羽の一種の玉砕戦法にも、まず動じないと思わせるのが、前田尚紀という男だ。入場から終始思い詰めたようなその表情、相手から決して逃げず常に真正面から打ち合うその戦法、勝って喜んだ顔などしたことがないその生真面目なオーラが、人をして彼を「闘う修行僧」と呼ばしめる。
その前田は、前回、ジムそして団体のエース「野良犬」小林聡の引退記念スパーリングの相手役に抜擢された。あのときは自分も小林ばかりを見ていたが…今思えば、そんな「悲しい晴れ舞台」にあって、前田は普段の試合とまったく変わらぬ、修行僧・前田尚紀として野良犬と対角線のコーナーにいた。
彼を「野良犬魂の伝承者」と呼ぶ向きもあるが…ひょっとして、前田はそんなことを考えてもいないのではないだろうか。格闘技界には「ミスター・ストイック」や「孤高のカリスマ」と呼ばれる選手たちが幾人か実在するが、前田ほど「孤独」を感じさせる選手は…いないような気がする。
赤羽はこの試合でもいつもと変わらず、打たれても打たれても前に出て、自慢のヒジとヒザの距離で前田を捉えようとする。が、前田はステップを効かせて脱出、容赦なくパンチを赤羽の顔面に叩き込んでいく。
正面から前田のパンチを浴び続けた赤羽は、2Rに左眉から出血。その量はおびただしく、2R終了後のインターバルでドクターがストップをかける。前田のTKO勝利が宣告された。
引退した小林聡を惜しむ声はいまだ止まない。その「ファイナルマッチ」の相手をつとめた同門の後輩・前田尚紀を「野良犬の後継者」に擬したい気分は、自分にも間違いなくある。
が、例えすべての全日本キックファンが前田に小林の残像を重ねたとしても、前田尚紀前田尚紀であり続けるに違いない。
だが、それがいい

  • トリプルメイン1・全日本対WSR三番勝負○コムパヤック・ウィラサクレック(3RKO)藤原あらし●

さあ!トリプルメイン!我らがあらしの登場だ!
パーカッションのみで構成されたおなじみの入場テーマと応援団の大歓声の中、あらしきゅんがいつものようにニッコニコでピョンピョンしながら入☆場!くぅーーっ!毎回ながら萌えさせてくれるぜあらしきゅん!!
取り乱しました。
一昨年のMACH-55、昨年の真王杯、先月実現した山本真弘との禁断の同団体王者対決(あとついでにファッションショー)と、記憶と記録に残る激闘、今や全日本キックを先頭きって牽引する、押しも押されぬ超エースのあらし。
国内エースたちとの名勝負にも一段落ついたかと思われるこの時期(真王杯で敗戦してしまった米田にはぜひ、10月の代々木大会でリベンジを!)、あらしの口から出た言葉は
「最終目標はムエタイです」
!!
そうだったのか!がんばれあらし!行け行けあらし!伝家の宝刀・左ミドルでこれからは打倒ムエタイに突き進め!相手は元ランカーで山本元気にダウンさせられた男だ!やっちゃえあらしッ!!
んが………
開始早々、コムパヤックのハイキックがあらしの顔面を捉えると、あらしは吹っ飛ばされるようにダウン!コムパヤック強えぇ!!
その後もムエタイ特有の緩急メリハリのついた蹴りが絶え間なくあらしを襲う。ミドル、ハイ、そしてロー。
辛うじてしのいでいたかに見えたあらしだったが、3R、嫌な音をたてて当てられたローでもんどりうって倒れるあらし。その頭上に、S.V.G.陣営が投げ込んだタオルが舞った…
…うぁあ、書いてて思い出しちまった…あの悪夢の日本vsタイ5対5マッチ(一回目)のような脱力感。コムパヤック強ぇ…
しかし!
言っちゃなんだが一昨年のMACH-55での国崇戦は、内容では負けていた!だが、昨年の真王杯ではその国崇を内容からなにから完璧に圧倒!あらしは、成長し進化する姿を見せてくれた!だから今度もきっとそうだ。次は負けない!あらしはそういう男だ!
愛する奥さん、愛する我が子のため、また進化したあらしを見せてくれ!俺たちファンは応援しているぞ!!

  • トリプルメイン2○大輝(判定3-0)望月竜介●

ラジャダムナン認定ウェルター級9位、WBC認定ムエタイ世界ウェルター級3位。デビュー以来12戦連続の勝利が、大輝にこの地位をもたらした。もちろん、腰に輝くのは全日本キックウェルター級王者のベルト…のはずだったのだが、大輝はこの王座を返上。絶対王者山内裕太郎が君臨するSウェルター級に殴り込みをかけた。
2月のSBでS-CUP覇者・緒形をその剛腕で沈めたビッグベンの恐るべき実力を目のあたりにしても「目標がはっきりした」と言い放ったハマの太陽。今の全日本で一番「旬」なエースと言って、何の差し支えもないだろう。
しかし、その大輝の前に、UWFからの刺客が立ちはだかった!
望月竜介の鋭い踏み込みが、未完のエース大輝のペースを狂わせていく。謀将・大江慎のカン高い指示を受け、望月が終始試合をリードしていった。
結果は5R判定フルマーク。2年半13戦のキャリアで、大輝は初の敗北を喫した。会場にはUWFのテーマが鳴り響く。
そう書けば若い常勝選手が鼻っ柱をへし折られたように見えるが、大輝の場合はそうとは言えないように思う。4、5R、大輝の動きは明らかに挽回を模索する粘り強い姿勢を見せていた、と見えた。
大輝はまだまだ終わらない。この敗北を契機により強くよりしたたかに成長するのではないか…大輝の初黒星に、逆に奇妙な期待感を覚えたことは書き残しておきたい。

国際式出身で元OPBFランカーという梶原を相手に、大トリを務めたナオキック。正直、この日のナオキックには驚かされた。
1Rからあんな動きのいいナオキックを見たのは初めてだよ!独特の(言い方は悪いが)ナヨナヨしたステップから、絶え間なくローとミドルを繰り出すナオキック。これであと前蹴りがうまく決まれば序盤はいうことなしだったんだが、何度か近すぎる間合いで前蹴りにいこうとするフォーム…?フェイント?
前半は巧みに試合をコントロールしながらヒジを狙っていったナオキックだったが、梶原も次第に追い付いて反撃を見せ始める。国際式仕込みの自慢の剛腕を振るえば、ナオキックは組ついてヒジを当てる。
両者ともに確実なアドバンテージを築けぬままに5Rが終了。前半の支配力でナオキックが逃げ切れるかな、と思っていたら…
上述の通り、なんと梶原に1P入ってのドロー。ぶっちゃけ、まだそんなに納得できてません。
う〜〜〜〜〜ん…キックの判定は難しいのぅ。何を有効にして何が無効とされたのか、その場でとは言わんが、報道とかで突っ込んでもらえんのだろか。
ナオキック残念。でも試合はよかった!この調子なら結果は後からついてくるぞ!!

  • 雑感というか

また長くなったのぅ。おしまい。