【プロレス】トリプルスレッド・マッチ。

三連休の中日は、夕方からハッスル、深夜にノア中継とプロレスLOVEin両国、なんと3つものプロレス番組が放送された日でありました。相撲も秋場所が始まったね。
ハッスルはまだ見てないけど、とりあえずあとの2つは見たので感想などを。


ノア中継はジュニアタッグリーグ特集。
とにかく、中嶋&飯伏組vsブリスコ兄弟の試合を、ノア中継が黙殺できなかったというのが素晴らしい!
編集に悪意があるのか、武道館がドッカンドッカン沸いてるのに画面からはそんなに迫力を感じられなかったのは残念だけどね…飯伏がビュンビュン飛び回ってるのは爽快だったけど、中嶋くんは蹴り数発、ブリスコ兄弟に至ってはドゥームズデイディバイスやってるとこしか映さなかったもんなぁ。ひどい話だ。
ノアの中の人たちとかノアファンとか、少しはプロレス見ればいいのに。

で、リーグ最終戦は1位の金丸&鼓太郎組vs2位のKENTA&石森組。金丸とKENTAは大嫌いだが、鼓太郎と石森ががんばってたからまあいいか。
鼓太郎、あんなに動けてあんなに頭使ってるのに、なんで地味なんだろう…と考えた結果、「無表情だから」かもしれないと思いました。今や表情くらいでしかプロレスできない三沢さんを見習おうよ。
石森はここんとこ妙にハジけてる印象。今回もジャベが冴えてたねー。顔が悪くないからちょっともったいない気もするけど、いっそマスクかぶってみてもいいんじゃないだろうか。バーチャファイターのルチャキャラ、エルブレイズでもやってみたらどう?

で、2位のKENTA組が勝って金丸組と同点。すなわち優勝決定戦に。
周りのみんなががんばってがんばって盛り上げた試合の、ヤマ場のヤマ場で金丸の垂直落下とKENTAの頭蹴りが交錯してKENTAの勝ち。よく飽きないよなー。
特にKENTA、試合時間開始直後のときと終了直前のときで、動きかたに全く変化がつけられない癖は今すぐ直さなきゃダメだよ。お前、20分間脚攻めされても、最後は平気で全力疾走から跳び膝蹴りとかするだろ。子供かよ。

ああ、思い出しただけで気分悪くなってきた(苦笑)。


気持ちを切り替えて、次はプロレスLOVEin両国。
まず言っておきたいのは、やっぱこのスタッフが作るプロレス番組は面白いってことだ。直近のストーリーをうまいことダイジェストとテロップやナレーションを使って、無理なくまとめる画面づくりが異常に巧いと思う。ちゃんと「TV番組」として成立してるんだよね。

さて、最初の試合はいきなり王者・武藤敬司vs挑戦者・後藤洋央紀のIWGPタイトルマッチ。実況が辻よしなり、レフェリーが海野って…どんだけ「新日本」なんだ(笑)。
でも、IWGPの派手なベルトがあって、武藤がいて、辻が騒いでて…っていうのは間違いなく「90年代の新日本」の光景で、こないだ「90年代プロレスには居場所がない」って断言した俺にとっても、改めてこうやって装置を据えられると、やっぱりちょっと懐かしい。「ああ、このケバケバしい感じが『ワールド・プロレスリング』だったな」って。
放送内容は、さすがにこないだ『ワープロ』のほうでやった編集のほうが見応えはあったけど、何だかんだ言ってこういうプロレスを実況させると辻にもそれなりの味はある。「武藤敬司は今が絶頂期だ!」とかね。ああケバい(笑)。

試合後に武藤が言ってた
「後藤みたいな若い連中は、若さそのものが魅力であり驚異だ」
ってのは、この人にしてはずいぶんストレートに表現してるなぁ、と。さすがに、そろそろ自分一人だけで背負うのは疲れてきてるんだろうか…。
後藤に限らずこの後で試合する諏訪魔や新日の中邑や棚橋。もう残り時間はとっくになくなってるんだよ?そろそろ先輩に楽をさせてあげようよ。君たちは50歳になった時にムーンサルト・プレスができる?


続いては三冠ヘビー級タイトルマッチ。実況は若林健治アナだーっ!初のリアルタイム神実況だーっっ!!
「さあ、夏より熱い秋が来るっ!」
のフレーズで、僕はもうイチコロでした。これからもどんどんプロレス実況してください。プロレス番組には若林アナが足りなかったんだよ!

しかし、試合は王者・諏訪魔vs挑戦者・太陽ケア。まず盛り上がることはありえない組み合わせという…(苦笑)。両国&三冠&若林なら、いっそ試合も川田vs健介とかがいいのに!
…と思っていたら、諏訪魔はわりと着実に成長していたようで。「もうヒールやったほうがいいよ」「いつになったらベビーに戻るんだよ」と、遅すぎるデビューも一因か、自分を巡るプロレス流に今ひとつ鈍い印象があった諏訪魔だけど、考えてみればまだデビュー4年めなんだよね。それを踏まえれば、今回みたいな試合ができるなら、今のところは十分だと思う。
来年は、是非ともG1クライマックスなんかにゲスト参戦してみたりしてください…って、「来年のG1」じゃ遅すぎるか。どんどん他団体、特に体格やキャリアの面でライバル候補がウジャウジャいる新日本あたりとガッツリやりあってもいいと思う。ちょっと怖いけど、諏訪魔vs中邑、ひょっとしたら後々大事にされる試合になるかもよ。もしノアと絡めるなら諏訪魔vs秋山なんかも見てみたいなぁ。

逆に、ケアの駄目さは、もう一種の「芸」とすら思える。あくまで「スベリ芸」だけどね。ケアといい宮本といい、自分から「王道」って口にする選手はみんなしてボンクラだな。
なんでケアはこんなに駄目なんだろう、というのも考えてみた。結果、どこがどう、とはっきりとは形にならないけど、試合やってる最中に「こいつやっぱ弱いわ」って思わざるを得ない瞬間が必ず来る、という「芯の部分がどうしようもなく緩い」のがひとつの原因なんじゃないか、と思った。鈴木みのるはケアをなんとかできるのかな…できないんだろうなぁ(苦笑)。


そして、次はいつの間にかベルトを巻いていた世界ジュニア王者・土方隆司がド新人のKAIを挑戦者に迎えてのタイトル戦。…え?KAI??
しかしそのKAIが、まさに出物。背は高い、脚は長い、スタイルも顔もいい、運動神経は抜群。なんだよ、こんな新人がいたのか!
今のうちからあんなに派手な試合ばっかりやってたら、後々つぶしが効かなくなりそうではあるが…ケツへの火のつきっぷりでは業界でそうそう右に出るもののない全日本。特にジュニア戦線は、巧遅よりは拙速にはしらざるを得ないのが実状なんだろうな。
いやいや、でもKAIのよさは新鮮で、もうしばらく全日から離れていた自分が、普通にまた会場に観に行きたくなる逸材。動きの端々に神経が一本通ってるような感じで、よくまあこんな選手がいきなり新人として現れた、ってくらいのものだ。厳しく育ててくださいよ、武藤さん。

対する土方は…あんまり変わってなかったというか、万年挑戦者予備軍だったカズ論TAKA時代と比べて何が違うの?というか。
地味だけど、底に不気味なハードヒットなものが見え隠れする、っていう個性が好きだったんだけど、王者の魅力が「見え隠れ」じゃあさすがにやりきれない。なんか石狩あたりを思い出すよ(苦笑)。


最後に、ボーナストラックみたいなかたちで「天コジ」復活劇。とは言えその実態は、主演・小島聡&TARU、友情出演・天山広吉ことうしくん、でありました。
一回しか言わない、一回は言っておきたいんだが、ガリガリでテーピングぐるぐる巻きの天山は、もう見ていて哀れすら感じる。
それにしても、まあ小島のハツラツとしていたことよ。TARUのVシネはだしでやりすぎなくらいの「悪者」っぷりと好対照で、ああやって元気いっぱいに笑って泣いて、楽しそうにしている小島はやっぱり「いい兄ちゃん」だ。何の脈絡もなく感じたんだけど、小島のノリはマンガで言うなら絶対に「コロコロコミック」だと思う。
ただし、何故今の小島がそんなに元気なのか、というと、大好きなうしくんと一緒にプロレスができるから、ではなく、「王座やメインイベントのようなプレッシャーが存在しないから」なのかもしれない。いや、俺の中では「かもしれない」どころか確信に近いんだけどね…川田の三冠に挑戦したときの、ギリギリに追いつめられて破裂寸前だった小島はそれ故に「(誤解を恐れず言えば)セクシー」だったんだけど、あれからいろいろあって、結局小島は、また健康的で健全で脳天気なおコジの世界に戻ってしまった。
それが小島の「個性」なのは間違いなくて、そんなおコジにまた会えたことは喜びではあるんだけど、でもやっぱりそれってちょっと不甲斐ないよな。今の武藤王朝から来るべき諏訪魔体制への移行はもう時間の問題だけど、その間には絶対に小島時代が挟まるべきだと思う。…本当なら、3年半前に小島が川田から3本のベルトを受け継いだ、あの代々木第二でのタイトルマッチが「その時」だったんだろうけどさ。

ところで、後半の世界ジュニアと天コジの実況はテレ東の隠れた名手、鍵野アナ。この人の実況は、素直で飾らない実直なスタイルだから聞きやすいね。若林アナと鍵野アナの二本立てで、全日本プロレス中継、復活しねぇかなぁ。



ああ長かった(苦笑)。というわけで、上で書いた川田vs小島の三冠戦のビデオを久々に再生したのでこのへんで。