DDT12・28後楽園。

最初に書いておくと、内容的にはそこまでのものではなかった…と言わざるを得ないかな。一番の楽しみだった、「スーサイドvsアカレン」で寝てしまったもの。
しかし、さすがにメインとその後の大発表には満足させられたしド肝も抜かれた。

来年8月、両国国技館興行決定!!

詳しくは以下で。
なお、試合結果などは特に書きません。結果詳細が知りたい方は、お手数ですが専門サイトでお願いします。


さあ、今回は悪口書くぞ。
乗り切れなかったのには二つの理由がある。

一つは「各試合のテーマが唐突すぎた」ということ。
準レギュランブルや敗者結婚6WAYダンスはもちろん、スーサイドvsアカレンの予告も「いつの興行だっけ?」って感じたし、諸橋のDDT最終試合も、澤田さんってのはわかる気はする(因縁もなくはないらしいが、流山ブラザーズと言われても…)が、そのへんを補完する煽り映像も全体的にパンチ不足だったと思う。

反乱軍とI4Hの敗者追放キャプテンフォールとはいえ、正直あの二人のどっちかが本気で離脱になるとは思えなかった。
それに、そもそもイタリア軍、第一期に比べてインパクト弱いよね?
「DDTを乗っ取る」って本気でやらかしそうで、でも、もしかしてそうなったらどうなっちゃうんだろう?ってドキドキ感のあった、あのイタリアン・フォー・ホースメンとは別のユニットなんだな…って感じちゃったよ。

そしてメインについても、こっちも復活したディザスターBOXが王座独占か?(タッグは獲得済み)ってことなんだが、どうしても高木三四郎のエネルギーのほうが強くて、HARAが獲ったらD‐BOXの時代だ!って気分にはなれなかった。

総じて言えるのは、今のDDTには「軍団」はあっても「抗争」がない、ってことかな。
なんだろうなぁ。DDTって、こんなに客を乗せるのに手間取る団体だった?


そしてもう一つは、試合そのもののダレ感。

多人数のOTRルールは、一興行に1試合でいいよ。OTRそのものに焦点を合わせるような仕掛けがないんだったら。

ていうかOTRのない6WAYも、実際あんまりピリッとしなかった。「マイケル結婚は普通にありえるなぁ」って思っちゃったものねぇ。
この試合については、一番面白かったのが実況コンビの口ゲンカ、ってのもなぁ。
「村田アナと鈴木記者に頼りすぎ(だからダメだ)!」って、マッスルで言ってたじゃん。マッスルでだよ?

あと、シングル2試合もまた…なぁ。
特に、所属じゃない選手にあまりキツく当たるのもどうかと思うけど、ヤス・ウラノ
以下はそもそも自分があまりヤスの良さがわからないからだってことを前提に読んでもらいたいんだけど…

ヤスはよく「玄人好み」とか「隠れた天才」みたいに語られるところを見かける。自分には正直よくわからないけど、タクティクスとかサイコロジーとか。
それが地味だからイヤだ、なんてことを言うつもりではなくて(突き詰めたら結局そこなんだろうけど)、とにかく気になるのが、
「そのこだわりの先に、ヤスは何を求めてるの?」
ってことなのだ。

インディーあるいはどインディーと呼ばれる団体について回る批判として、よく「リングに上がっただけで満足してる」なんて言われるけど、ヤスの場合は、いわゆる「ヤスティクス」はインディーの中でも突出したスキルだし武器なんだろうけど、問題は、ヤスがその「ヤスティクス」を駆使して何をしようとしているのがさっぱり見えてこないのだ。
KUDOあたりの耳元で大声を出すことが、K-DOJOを離脱してまでヤスがやりたかったことなの?

…と、やたらと厳しい言い方ばっかりになってるけど、ズルいようだがこれはやっぱりヤスに期待しているからなんだよな。
それとも、ヤスに対してこういう評価をすることじたいが間違ってるんだろうか。


あと地味な話、この前の日に観た武勇伝と併せて、「キャリアの浅い新人や後輩が、先輩を相手に、シングルなら一方的に蹂躙、タッグならローンバトル」っていう展開が、何試合あったんだろう?
さすがに食傷ですよ。まさか、DDTで
「こういう試合は最近いっぱい観てるなぁ」
なんて気分にさせられるなんてね。これは本当に残念。



しかし、両国開催は決定。

高木大社長「DDTはマッスルも含めて来年も12回、この後楽園で興行をおこないます。でも、それじゃあ上は目指せねえよ。何をやりゃいいかって、それは今よりも器の大きいところにチャレンジする」

ということだ。
それはいい。

上記のような焦点のトボケた興行を年間10回以上やるよりは、大箱で気合いの入った1回を観せてくれたほうが、一ファンである自分としても嬉しい。

だが、だ。

大社長「もちろん超満員のお客さん、満員にするのは当然だけど俺たちはそれにやっぱり、超満足できる興行を目指したい。とにかくやんなきゃ先には進めないから両国国技館、2009年8月23日、DDTで両国国技館大会をさせていただきます」

そうなんだよ。「満足」なんだよ。俺は今回、珍しく最後までDDTの興行で「満足」しなかったんだよ。

DDTの後楽園は、だいたい、前半戦は開催前の期待の高さが逆に作用するのもあいまっていまいち乗り切れなかったりするが、休憩後やセミ、メインで爆発して、最終的には満足させられるというのがいつものパターンだった。
今回も確かにそれに近いものではあったけど、大オチとしての「両国開催」がなかったらもっと印象は悪かっただろうし、むしろ、
「ああ、派手な花火を打ち上げられて、ごまかされちゃったなー」
というのが、今のところの心境だったりする。


ネットなどでは案の定
「どう考えても無謀だから両国でコケてDDT消滅」
とアンチ側から即座に言われてるけど、これに対して高木三四郎
「両国の採算ラインへの目途は立っている」
と真っ向から反論。
でも、自分的にはそれは比較的どうでもいい…
というか、結局(一ファンとしては)開催されてみないとわからない話なわけで、はたしてお客が集まるかどうか、集まったとして、それだけのお客がDDTをどう判定するか。そこのほうがよっぽど心配になる。

両国くらいのハコになると、多少抜群なていどの(音響や映像)演出がついたところで、騙せるのはせいぜいマス席前半くらいまででしょ。しかも、初見って人もかなりいるはずだ。
つまり、DDTにとっての両国大会っていうのは、「団体の実力そのものが査定される興行」になるだろう。
それがわかるからこそ、

「今回みたいな興行やってたら無理じゃないの?」

と思わざるを得ないのだ。


まあ、開催まではあと8ヶ月。これからに期待するしかないか。
例えば上に書いたヤスの話だって、トップどころと絡む気が無くても、
「俺はどんな興行だろうと第二試合だけは譲らない!」
って、新木場か後楽園で「両国興行第二試合出場選手決定ランブル」でもやったらいいじゃないか。

何かに対して向かっていく姿勢こそが「戦い」であって、その「戦い」の姿勢をわざと崩したり、時にはあえて放棄してみせることで独自色を出してきたDDTの興行が、「両国」という怪物との正面衝突を果たした。
「戦い」はこれからだ。
DDTという団体、そして参戦する選手には、「チケット何枚売るか」とか「どんなおもしろアングルを構築するか」みたいな小手先のごまかしに頼らず、しっかりと
両国国技館という目標」
との「戦い」を、見せてもらいたい。



そして、会場で、高木三四郎はこうも言い放った。

「HARASHIMA、やりたくねえのか?
 ウラノ、飯伏、鳥羽、高梨、MIKAMI、澤田、KUDO、田村、松永、石井、安部、誕期、
 オマエら(大鷲たちの固まり)!
 オマエら(イタリア軍)!
 マイケル、オマエもだ!
 オマエら夢はないのか?
 プロレスをやっていればいいのか?
 夢はねえのか?
 オマエら夢はねえのか?
 お客さん、夢はねえのか?
 あんだろ!
 俺たちと一緒に大きな夢を目指そう。もう待ったなしだ。」

そうだったのか。
「DDTは両国で戦います」
と言ったんじゃなかったんだ。
「DDTと一緒に、両国で戦おう」
と言ってくれたんだ。

高木三四郎は、自分を信じてくれたんだ。「今日、この興行を観に来てくれたお前は、俺様たちを信じてくれている」と。
その上で、「一緒に戦おう」と呼びかけてくれたんだ。

「俺様を信じろ。お前たちを信じる、俺様を信じろ!」

というのが、高木三四郎の真のメッセージだったのだ。


DDT両国大会は、高木三四郎やDDT所属選手たちだけの挑戦ではなかったんだ。
高木三四郎は、俺にもその戦いに参加しろ、と呼びかけてくれた。しかも、絶対に成功させてみせる、という自信とともに。

DDT両国大会は、もう、俺の夢でもあるんだ。高木三四郎が、その夢を与えてくれたんだ。

やってみよう。自分のような一ファンに何ができるかはわからないけど、DDT両国大会という夢に向けて、まず何ができるかを探すことから始めよう。
両国大会の成功は、俺たちの夢なんだから。


というわけで、過ぎたことを振り返るのを、2008年の間に済ませることができてよかった(笑)。
悪口は今年まで。
来年からは、明日からは、新しい戦いが始まるぞー!

…具体的に何ができるかなんて、何にも思いつかないけど、「何もできない」と最初からあきらめるのだけはやめよう。
両国大会の成功に向けて、一生懸命がんばっている、仲間たちがいるんだから。

そうですよね?大社長!