夏草や キワモノどもの 夢の中。

  • セミファイナル・CMLL認定KO‐Dタッグ選手権試合:

王者組:"イタリアン・フォー・ホースメン"フランチェスコトーゴー&モリ・ベルナルドwithアントーニオ本多
挑戦者組:"ジェット"省吾&HARASHIMA
内容的には全般的にローンバトルを強いられながら最後まで全力疾走したベルナルドが素晴らしかったが、個人的にはアントーニオ本多のマイクに喝采を送りたい。
「F*CK!F*CK!F*CK!F*CK!コークスクリューF*CK!!今日はチャンピオンシップだ!だからお前たちを紳士的に!紳士的に!紳士的に!紳ッ士的にッ!地獄の底へたたき落としてやるッ!」
血管切りそうなハイテンションに引き気味の空気を察するや、
「これだけわめくのにはちゃんとした理由があるッ!
(突然声を落として)試合が終わったとき…死んでいるのは…
お前らのほうだからだッ!」
試合は、前述のように長い間つかまりまくったベルナルドがローンバトルを耐えきり、イタリアン・ターミネーターインパクト(肩車された相手にコーナートップからイスを投げ渡し、そのイスごとフライングラリアート)をズバリと決めてホースメンが防衛。その後…
「俺の言ったとおりになったな!何回挑戦してきても、俺たちがチャンピオンだ!なぜなら俺たちが!俺たちが!俺たちが!
イタリアン…フォー…ホースメンッッ!!」
本多さん素晴らしい。マッスルハウス2のトーゴー戦といい、観るたびに感動させてくれてありがとうございます。
大マジなので念のため。

  • メインイベント・KO‐D無差別級選手権試合

王者:大鷲透
挑戦者:KUDO
試合前、ビジョンにはDB軍の控え室が。
魔ッスル「俺たちの相手、元新日本だぜ」
ディーノ「アタシだってそうよ」
猪苦魔「その点、親方はインディーの選手…」
三人「いいよなぁ〜!」
そこへ親方・大鷲さんがご登場。
大鷲「うぉ〜い!お前ら何をゴチャゴチャ言ってるんだ?」
ビビリながらもノーセコンドマッチだが大丈夫かとか一人で戦うと疲れるんじゃないかとか、聞きようによってはずいぶん失礼なことを言いまくる三人に、大鷲は何やら秘策を耳打ち。それを聞いた三人は
「わる〜い!」ちゃんちゃん。さて、何をしてくるやら。
挑戦者のKUDOは、現在DB軍でシリアスなヒールの座につくHARASHIMAとベビーフェイスのタッグを組んでいたが、KUDOが海外遠征中にHARASHIMAがヒールターン。帰国したKUDOはかつての盟友HARASHIMAにボコボコにされたが、そこから這い上がって今回の挑戦に至った、という経緯。
そのKUDOの入場に続いて、大鷲がSAND STORMで入場…する後ろから、魔ッスル、ディーノ、猪苦魔、魔イケルらにそっくりのスーツ姿の一団が、手に手にチケットを見せながら会場に入ってきて、リングサイドに席を占める。なるほど、これは悪い(笑)!
あわてたKUDO
「ノーセコンドじゃなかったのかよ!」
とイチャモン(というか正当な訴え)をつけるが、大鷲は
「どっからどう見ても、チケット持った一般のサラリーマンのお客さんだろうが!そんなこと言うなら、お前、この会場のお客さん全員に同じこと言ってみろ!」
KUDOが絶句すると大鷲が
「お前のような理不尽な奴は、俺様が退治してやる!」
と急襲、試合開始。
さっそくKUDOが場外に投げ飛ばされるや、取り囲んで襲い始めるサラリーマン達。ついにKUDOが手を出すと、客席からはブーイングが。
余談だけど、DDTのお客さんはこのへんでノリ過ぎというか。試合がリングに戻っても、偽サラリーマン軍団の周りからお追従のような笑い声が起きたりしてて、ちょっと見づらかったかな。
とまあ、こんな感想も出るほど、リング内はパワー殺法で暴れ回る大鷲に対して軽快な動きで切り返すKUDOが大健闘。凶器のブラックボックスを持ち出した偽リーマン隊が再度介入するが、それもKUDO側からポイズン、蛇我井、飯伏、MIKAMIそっくりの偽サラリーマン軍団が飛び出してきてからは、リング外でにらみ合い。
場外テーブル上でのボディプレスからなんとかカウント19で復帰したKUDOは一回り体格の大きな大鷲相手にスープレックスや雪崩式のブレーンバスターまで見せて食い下がるが、豪快なノド輪落としからの強烈なパワーボムでついに轟沈。敗れはしたものの、大鷲を追いつめた執念と根性はお見事!
そのKUDOに、大鷲も
「今日はサラリーマンの皆さんと一緒に防衛できて大変喜ばしいです。KUDO、お前なかなかやるじゃねぇか。正直、DDTのシングルでこんなに疲れたのは初めてだ」
と称賛(?)すると、
「俺たちと一緒にやらねぇか?」
とまさかのDB軍への勧誘!するとそこにHARASHIMAとジェットが駆けつける。
HARASHIMA
「大鷲さん何考えてるんですか。こんな奴とは組めません!」
と、因縁の深さを強調。さらに
「だいたい、最近のお笑い路線というか…やりすぎじゃないですか?俺たちの理想とは違ってきてますよ!なぁ、ジェット?」
と訴え、ジェットにマイクを渡すが口下手なジェットは急に振られて困り顔に。
見かねた大鷲が
「お前な、言いたいことはわかるが空気を読め。まあそれはそれとして…いいか、時代は今、俺様に『お笑い』を求めているんだ!」
と宣言すれば、観客は爆笑と完成でこれを支持。
言葉を失ったHARASHIMAを置き去りにしたまま、大鷲はマイクを続けると
「DDTに上がって1年4ヶ月。楽しいことも苦しいこともありました。私、本日をもってヒールを卒業します!明日からはベビーフェイスの大鷲透にご期待ください!」
なぜか今日はカミカミの大鷲さんが「今日はレスラー人生最大の危機!」とボヤきながらもそう宣言すると、観客席に、後楽園の床が抜けたかのような衝撃が走る。今日は来てよかった!!
「9月18日、何の日か知ってるか?」
と大鷲が聞くと、場内のごく一部から『大鷲プロレス!』との声が飛ぶ。まだ若干ロレツの怪しい大鷲は、
「半分くらいか。お前らが宣伝しないのが悪いんだぞ。責任とって今日は締めろ」
と、カミカミに照れながら魔ッスル坂井にマイクを押しつける。坂井が
「今日は色んなことがありました。自分達で言うのもなんですが、ダークマッチからメインまで素晴らしい試合ばかりだったと思います。これからも、ベビーフェイスの大鷲透とディザスター・ボックスをよろしくお願いします!」

  • 感想

いやはや、噂にたがわぬ面白さだった。けど、今回気づかされたのは、確かに蛇界の呪文とかメインの乱入劇はだいぶ仕掛けとしては異色だけど、こうして振り返ると、試合そのものはわりとオーソドックスなんだなぁと。その点、この直後に観た全日本プロレスの下の方で菊タローや荒谷さんがやってる「試合そのものがお笑い」のプロレスとは、同種のようで実は全く異なるものなのかもしれない。
話題の「マッスル」がきっかけで興味を持ち始めたDDTだけど、雨のせいで傘に埋め尽くされてほとんどリングが見えなかった大森夢フェア興行http://d.hatena.ne.jp/pon-taro/20060513を別にすれば初めてじっくりと観て、大きな満足感と次への期待をもらえたことは素直にうれしい。
ついでに、メカマミーの脅威とガミラス星人の陰謀にさらされているともっぱら噂のユニオンプロレスも絶対観に行くぞ!
長々と失礼しました。お読みいただいたみなさまに感謝します。