三歩。
風邪をこじらせて入院してた彼女の見舞いに行きました。明日退院するんだけど（意味があるのかないのか）。
中村中って人が、『友達の詩』って歌を歌ってるみたいですね。
「手をつなぐ くらいでいい
並んで 歩くくらいでいい
それすら危ういから大切な 人は友達くらいでいい」
もはやネットでは常識かもしれないけど、これを歌っている人は性同一性障害で、この曲を主題歌にしたドラマもこの「障害」*1をテーマにしていたらしい。
さてさて、いきなり話が逸れたんだが、ウチの彼女（上でああいう話をしているので念のためにことわっておくが、精神的にも身体的にも女性だぞ）はかわいい奴なのよ。
ちょっと前にデートしてたとき、突然離れて歩き始めたのね。
「どうしたん？」
って訊いたら、
「三歩って、どれくらいかなって思って」
と。『三歩下がって師の影踏まず』かなんか、あるいは儒教道徳華やかなりし昔は夫婦でも三歩離れて歩いたって話*2か、とにかくそういうことで実際に試してみようとしていたらしい。
で、
「んじゃ、ちょっとそこにいて」
と言って、並んだ状態から三歩だけ歩いて、振り返って
「こんくらいだべ」
と。それからちょっと歩いてたら、後ろから小走りに追いかけてきて、
「ありえないです！こんなの一緒に歩いてるって言わないです！」
って怒ってるという（笑）。…確かに、俺も背中に気配を感じなかった。
「今じゃ非常識かもしれないけど、昔は、ひょっとしたらこれでも『あいつは女連れで歩き回る道楽者だ』なんて言われてたのかもね。『当たり前』ってのは、意外にわかんないもんだね」
と、不意ながらずいぶんいい勉強をさせてもらったことがあったわけです。
かわいい奴だ。
彼女は明日退院して、実家に帰って週明けにはまた戻ってくるとの事。
入院したって聞いたときにはどうなることかと心配もしたけれど、退院直前とはいえ今日見舞いに行って、それなりにしんどそう*3だったけどまぁ元気そうな様子を見て、とりあえずは安心した。
都会の一人暮らしは、体調を崩すととたんに生活までが崩れます。皆さまもくれぐれもご自愛くださいませ。
