ラスト観戦はDDT、そして初ドロップキック。

pon-taro2007-12-31


2007年最後の観戦、でぃー!でぃー!てぃー!を観てまいりました。


社長兼エースの高木三四郎がいきなり体を張ったダークマッチからのオープニングは、やはり圧巻の一言に尽きる。「INTO THE LIGHT(DDTテーマ曲)」の前に「FIRE!(高木テーマ曲)」が鳴るというのは、これはもうなんていうか。
エヴァンゲリオンで言ったら、「残酷な天使のテーゼ」の前にいきなり初号機が暴走するっつーか。前兆皆無で第一リールに3連ドンちゃんがズバリと止まった感じっつーか(古い)。


で、そこから3試合は悪い意味でグダって(苦笑)、休憩。ただし、試合がナンボほどグダっても、毎試合ごとに力尽きたリングアナがコロコロ変わるという今回のスキットは、何とも言えずDDTらしくて大変楽しゅうございました(笑)。


そのリングアナ、休憩明けにはなんと田中のケロちゃんが就任!無節操に決まってしまうところはいかにもDDTながら、実際のコールはちょっと微妙だったかもしんない。
ケロのコールが大上段なら、DDTの基本は最下段というか、そもそも竹刀の代わりにダイコン握ってるというノリではあるから(そのダイコンでダイコンなりの剣道をしてしまうんだけど)、プレミア感はあったけどそれ相応の違和感も感じてしまった。


そしてセミ。メタル・ヴァンパイアが満を持しての登場。
ディック東郷が愛弟子のアントーニオ本多を裏切り、リング上でアントンが
「僕が…どうしようもないレスラーだから…こんなことになって…しまいました…ッ!」
と号泣したと聞いていたので、半端なことはしないだろうなぁと思っていたら、ある意味予想通り、しかし想定外、みたいな。
フォーホースメンやディザスターBOX、あるいはチーム・2・サウザンアイランドのような、どこかに「愛され度」というパラメータを(大なり小なり)隠し持っていた歴代のヒールユニットと比べるまでもなく、観客への「媚び」の部分をすべて切り捨てたその暴虐ぶりは、2007年の最終興行という「節目感」への裏切りともあいまって、異様な不協和音を奏でていた。
悪いことをする→ブーイングという単純な図式では片付けにくい、「こいつら…まさか?」という、よもやDDTで味わうことになるとは思いもよらなかった、圧倒的なまでの不安感を与えられました。
あいつら、怖ぇよ!!
ただ…ただ、そんな中でも、フランチェスコトーゴーやプリンス・トーゴーやってた時には使わなかった、ディック東郷謹製・ダイビングセントーンは、やはりあまりにも美しすぎたってことだけは書いておく。


MV軍の狼藉で落ち着かない気持ちの中、興行はメインに突入。HARASHIMA‐飯伏のシングルも、かなりいびつな読み合いからスタート。普通に迎えたメインだったらワクワクしながら観られただろう。だけど何しろセミがアレだったもんで、気持ち的にビビりながらだったせいか、妙な緊張を覚えていた…
が、飯伏がトップロープから場外へ向けてのムーンサルトという無茶苦茶な飛び技を見せたあたりから、試合は激しく動き始めた。
飯伏はスピードのあるフライングレッグラリアットで反撃するが、試合中に負傷した飯伏の左腕をHARASHIMAが集中攻撃、山折りを決めると蒼魔刀を狙う。
しかし、走り込んできたHARASHIMAを、飯伏はなんとバク宙キックで迎撃!ジャーマンと、とんでもないタイミングから繰り出される各種ムーンサルトで攻め込む飯伏だが、HARASHIMAはここ最近、やめればいいのに平気で使っちゃう、危なすぎるリバース・フランケンシュタイナーで反撃。
HARASHIMAが絶対やっちゃいけない雪崩式リバースフランケンを決めた!…と思いきや、なんと飯伏は自ら回転してこれを着地!すぐさま飯伏には珍しいラリアートを叩き込み、ドラゴンスープレックス!…まだ決まらない。
ボロボロの両者、リズムも何もないフルスイング張り手の乱打戦から、打ち勝った飯伏が渾身のジャーマン!しかしこれを返したHARASHIMAはハイキック連打からバズソーキック。たまらず座り込む飯伏への、ロープを往復してからの蒼魔刀が、この激戦に決着をつけた。


いやぁ、試合はサラッと書くつもりが、思い出したり週プロモバイルの速報読んでたら、すっかり詳述してしまった。
試合後、HARASHIMAと飯伏はニッコニコしながら握手。あんなゴツゴツの試合しといて、そりゃねーよ(苦笑)!さらにHARASHIMAはマイクを取り、
「今年一年、みんなありがとう!今日は、飯伏と最高に気持ちいい試合ができたよ!すんげー気持ちいいから、やりたいことがある!みんな、リングの周りに集まってくれ!」
走りましたとも。
エプロンバンバン叩きながら、みんなでもみくちゃになって飯伏と握手、さらにはHARASHIMAとハイタッチまでできてしまった(笑)。
そんなミーハー話はさておき…


内容で言うと、HARASHIMAが山折り→蒼魔刀というコンボの形へのこだわりを薄め、むしろ蒼魔刀をロープ往復でより一撃必殺性の純度を高める方向に向かいつつあるのが印象的。
飯伏については、今回はクルクル回る飛び技は少なかったものの、ムーンサルトのバリエーションという、一日のうち50時間くらいプロレスのことを考えててもなかなか到達しない部分を見せていた。飯伏がプロレス界の至宝であることはもはや疑いないが、そんな飯伏が、DDTにいるという事実。これは、それだけでそのままDDTの2008年への希望に直結すると思うのだ。


というわけで、DDTテック名物・当日の模様を織り込んだエンディング映像を交えながら、2007年のDDTは終了。
いやー…今年は夏のあいだ伊豆に行ってたりして中断期があったけど、少なくとも都内近郊にいる限りは、この団体から目を離しちゃいけませんな。恐れ入りました。面白かった!


2008年のDDTは…ニューウェーブ王者HARASHIMAたちが描く新時代ロードの軌跡と、時代に勝手に逆行していくレジェンド軍の影(笑)、細かいところではヌルブラの賞味期限問題、意外な逸材かもしれないホストレスラー美月凜音の成長、ここへきて復活しつつあるNOSAWA論外佐々木貴ら出身レスラーとのパイプ…そういや、まさかまさかの三沢自ら登場という、どうなってるのか全く見えないNOAHとの繋がりなんてのもあったなぁ(笑)。
しかし何と言っても、これからしばらくはメタル・ヴァンパイアの動向が鍵になるのは間違いない。
各団体でヒールユニットが本格的な人気を得てはベビー人気を凌駕してアングルがグチャグチャになっていくという流れが当たり前になっている中、ディック東郷大鷲透というヒールの大看板を二枚立てたこのユニットは、そう簡単に支持を得ることはなさそうに見える。ていうか、今のところ、このユニットの「リアルな悪さ」「ただの悪意」という刺激物に対し、プロレスに余裕で接することに慣れてきたDDTファンは、どう反応すればいいか戸惑っているところ、と言ったところだろう。
これは、DDTがファンを試している、ってことなんだろうね。



さて、観戦後はDDT経営のスポーツバー「ドロップキック」へ初出撃!
スタッフはMIKAMI店長、タノムサク鳥羽チーフ、猪熊料理長、バイトのISAMIというフルメンバー。しかも、自分で持って来た「たらこキューピー」電動フィギュアを「気持ち悪い!高梨みてぇだ!」と嬉しそうに罵倒し続ける高木三四郎社長まで来店。今日の高木社長はシラフだったのに(笑)。


店内のモニターでHARASHIMA対MIKAMIのタイトルマッチも見られたし、ついでにサムライでTNAのサモア・ジョー対クリスチャン・ケイジのタイトル戦、さらにはスティング対アビスの棺桶マッチ、DEEPでの渡邊久江対ハム・ソヒまで見られた。
ハム・ソヒは強いねー!スタンドであの久江をあれだけズタボロにできる選手が、女子にいるとは思わなかった。やっぱ、ジョシカクはこういうエースをちゃんとスターにしてあげる仕組みを作らなきゃ、10年後の安定に到達する前に、3年経たずに瓦解してしまうんじゃないだろうか。


閑話休題
さすがに年内最終興行の終了後とあって店内は大混雑。みなさん忙しそうでしたが、開店半年でスタッフ全員が言わば素人であるわりには、うまく行ってるんじゃないかと思います。せっかちな人とか一見団体で押しかけると、ちょっとイラつくかもしれないけど(苦笑)。
フードを頼まなかったので真価を見極めたとは言えないけど、料金も区役所通りの路面店にしては安いんじゃないでしょうか。飲み方しだいだけどね。


始発が動いてから帰ったんだけど、最後はMIKAMI店長が笑顔と握手で送り出してくれました。
来年はもっと行こうっ。



というわけで、今年のプロレス観戦はおしまい。最後にDDTを観て、よかったと思います。
ありがとうございましたっ!


年末のご挨拶は、また改めて。