DDTビアガーデンプロレス・ベルトハンター×ハンターDAY(その2)。

  • 第二試合「中澤マイケル肛門爆破デスマッチ」

花道上に、「時限式肛門爆破中澤マイケル」が設置される。Tバックの股間をガムテで補強された、爆破仕様の中澤マイケルがうつ伏せに。
この試合の特別ルールは、開始から5分が経過しても決着がつかなかった場合、自動的に中澤マイケルの肛門が爆破される。また、5分以内にどちらかの選手が勝利した場合には、その時点で中澤マイケルの肛門は爆破される、というもの。


中澤マイケルの肛門爆破が賭かったシングルマッチを戦うのは、No.1ホストレスラー(本当)の美月凛音と、ディック東郷が主宰していたプロレス学校・SUPER CREW卒業生の佐々木大輔
静かに横たわるマイケルを背景に、ゴツゴツとした打撃戦、華麗な空中戦、ジックリとしたグラウンド戦と、若手どうしらしい気迫の籠もった熱戦を展開する両者。あっという間に時間は過ぎ、気がつけば、爆破準備のため、マッスル坂井男色ディーノが設置された中澤マイケルの周囲にスタンバイ。


とうとう5分経過、リング内に運び込まれたマイケルの肛門にはロケット花火が。点火されると、鍛え上げられた強靱な括約筋によって花火は見事にその場で爆発する。
火花、そして白煙立ちこめるリング上で、男色ディーノは涙ながらに
「お前ら、試合せんかーっ!」
どうやら、爆破は爆破として、試合はそれで終了というわけではないらしい。


美月は美しいフォームのドロップキックを決めるが、佐々木はこれをカウント2でクリアするとサンダーファイヤー・パワーボムを敢行、美月から勝利を奪った。場内に再び「ワイルド・シング」が流れ、熱狂の中、さらに2度、中澤マイケルの肛門が爆破される。
ロケット花火の残骸が肛門に刺さったままのマイケルを尻目に、美月と佐々木、そして坂井やディーノは号泣しながら互いの健闘を称えあったのだった…




中澤マイケル、すげぇなぁ。こんなことやってるけど、実はDDT…というかプロレス界全体の中でも相当の高学歴の持ち主なのよ。アメリカの大学で運動学系の学位も取得していて、ふだんはトレーニングジムのコーチをしているんだそうだ。ヌルヌルブラザーズ結成から1年半、この「きわめ」っぷりには脱帽するしかない。これからも応援していきます!
ところで、この肛門爆破、今回のオリジナル企画と思いきや、今はなきFMWで、新人時代のハヤブサとミスター雁乃助が地方巡業の際に行ったという歴史があるらしい。
奥が深い…

(参考)キング・オブ・ストックホルムストックホルム・キング→ストック・キング→ストッキング。


ロイヤルランブルとは、一定時間経過後に次々と新しい選手が入場し、最後に勝ち残った一人が優勝するという試合形式。
通常の3カウントフォール、ギブアップ、レフリーストップに加え、オーバー・ザ・トップロープ(OTR、トップロープを越えてリング下に転落すること)も敗退となる。この試合の優勝者には、「キング・オブ・ストックホルム」の称号が与えられるということ。


最初のメンバーは、パンストを被った佐々木大輔と、パンストを被ったアントーニオ本多。レフェリーの松井さんもパンスト装着。
何の意味もないが、特に松井さんの顔面はかなり恐ろしい絵面に。


60秒が経過するとカウントダウン、入場してきたのはパンストを被ったケニー・オメガ
どうでもいいが、水曜日には尻に「頭文字Ω」(字が表示されるかな?ギリシャ文字のオメガです)と見覚えのあるロゴが入ったショートスパッツだったのが、この日はシンプルに「Ω」(同上)とだけ記されたショートスパッツ。ひょっとして、水曜のは来日に向けて特に準備したのだろうか?


さらに60秒が経過、パンストを被った男色ディーノが入場。
ディーノは股間を鷲掴みにするという男色殺法定番ムーブ、男色クローでオメガを狙うが、オメガが両手でブロックすると弾かれたクローは佐々木大輔に、しかし佐々木もブロックして本多へ、本多もブロック、最終的にクローが捕獲したのは松井レフェリーの股間だった。
この荒技に、カナダの路上王の名をほしいままにするオメガも何かの危機を感じたのか、必殺技・波動拳を繰り出して一気にディーノを潰しにかかる。ところがこの波動拳も、受け止めたディーノから次々にリレーされ、結局松井さんにヒット。松井さんは吹っ飛んでダウン。


ここで新たな入場者は、パンストを被ったマッスル坂井
ディーノが執拗な男色レスリングでオメガを主に背後から狙う中、坂井は本多と佐々木をまとめてマッスル・ボンバーでなぎ倒す。マッスル坂井の顔面は、「ガキ使」などでの森三中・大島のパンスト芸に匹敵する凶悪な面構えになっていた。
立ち直った佐々木と本多が坂井を両側から捕まえたところに、ようやくディーノの毒牙から脱したオメガが波動拳を放つ!しかし、坂井は全く動じず、その肉体で波動拳を受け止めると「そんなものが効くかーっ!」
必殺技の通用しない坂井に対し、一瞬ひるんだオメガだったが、ついに奥義・真空波動拳を発射。場内の観衆=500人の酔っぱらいと共に、「しんくうーっ、はどうけーんっ!」
これにはさすがの坂井も一瞬で体力ゲージを削られ、全員でカバーされると返せず3カウント。あっという間に退場。


次の入場者はパンストを被った諸橋晴也。妊娠中の奥さんのため、先日のKO-D無差別級タイトル挑戦には失敗したが、是非とも今回は「キング・オブ・ストックホルム」の座を勝ち取りたいところだ。
気合いの入った諸橋は、入場するなり全員にクォーラル・ボンバーを見舞う。パンストを絞り上げて雄叫びをあげるが、倒れたまま下からこっそり狙っていたディーノの男色クローが諸橋の股間を捕獲。
絶体絶命のピンチに、諸橋は、ボディビル大会出場のためにレスラーには不必要なほどビルドアップした筋肉に力をこめ、ポージングを決めて耐える。握りかえすディーノ、耐える諸橋。ポーズを変えてこらえ続ける諸橋に、場内からは「いいよ!キレてる!」の声が。


さらに次の入場者は、パンストを被った初代ベルトハンター×ハンター矢郷良明
矢郷さんもさっそく必殺の殺人コブラツイストを決めにかかるが、ランブル形式で選手が多いため、次々にカット。コブラ殺人は未遂に終わる。矢郷さんは男色クローで体力を消耗した諸橋に狙いを定めるが、諸橋はラリアットをかわすとショルダーアタック。矢郷さんを吹き飛ばし、コーナー上でふたたびポージングを披露…しかし!


そこへ入場してきたのは、パンストを被った美月凛音。
No.1ホストwithパンストバージョンの美月は、コーナーの諸橋めがけてドロップキック!たまらず転落した諸橋は、オーバー・ザ・トップロープ(OTR)ルールのためここで失格。
しかしその美月を、さらに本多が狙う。OTRを巡る激しい攻防を見せるが、その間、ついにディーノがオメガの背後を奪うことに成功していた。ディーノはバックからオメガを責めまくる。


もはや収拾のつかないリング上、最終入場者としてコールされ、姿を現したのは、パンストを被った伊東竜二!横浜が誇る日本最大のデスマッチ団体、大日本プロレスのエースの参戦に、場内はいやが上にもヒートアップ。
伊東はあっという間に矢郷さんをOTR、突進してきたオメガも、肩越しにリング外に投げ捨てる。これでオメガもOTR。
勢いに乗る伊東は、美月を捕獲。ボディスラムで叩きつけると、華麗なムーンサルトプレスwithパンストを披露。美月3カウント失格。


この時点でリングに残っているのは、佐々木大輔アントーニオ本多男色ディーノ伊東竜二(入場順)。
ディーノが佐々木を捕らえ、背後から腰を尻に押しつける男色殺法「ファイト!一発」。ディーノは伊東に、この攻撃でダウンした佐々木へのドラゴン・スプラッシュを要求。それに応えた伊東はコーナーに上るが、これはディーノの罠だった。追いかけたディーノは、コーナー上で正面から伊東にディープキス。2007年1月3日のマッスルハウス3以来、約1年8ヶ月ぶりに伊東竜二の唇を(パンスト越しではあるが)再び奪うことに成功した。
それも束の間、復活した佐々木がコーナー上の二人に背後から体当たり。まとめて転落した伊東とディーノはOTRにより失格。リングには、最初の二人、佐々木大輔アントーニオ本多が残された。


本多が仕掛けるが、佐々木は冷静にショルダースルー。一気にOTRかと思われたが、本多もエプロンサイドに着地してぎりぎり失格回避。すかさず佐々木が殴りかかり、両者はロープを挟んで打撃戦。
エルボー連打でこれに打ち勝った佐々木はコーナーへ駆け上がり、三角跳び式のミサイルキックを本多に放つ!本多、これにはたまらずリング外へ転落。佐々木大輔が、初代キング・オブ・ストックホルムの栄冠に輝いた。


パンストを被ったまま充実した表情の佐々木大輔は、

「みなさんのおかげで優勝することができました。この勢いのまま、DDTのトップを目指します!」

と力強いマイク。温かい祝福の声に包まれて、セミファイナルのリングを後にした。



試合中はただゲラゲラ笑いながら観てただけだったけど、こうして振り返るとかなりいろいろ詰め込まれた内容だったんだなぁ。
ただ、パンストについては当日には何の説明もなし。前述のmasaki君と、
「ひょっとして、ストックホルムとストッキングの語呂かなぁ?」
「いやぁ、そんなんじゃないでしょ」
と会話していたのが、まさか本当にそのまんまだったとは。


観戦記は続きます。次はいよいよメイン、そして感動の全試合終了後。