DDT2・22後楽園大会その1。

Into The Fight 2009
日時:2月22日(日) 会場:後楽園ホール
観衆:1378人 満員

というわけで、行ってきました後楽園。
当日券発売の16時の時点で、行列は20人ほど。後楽園がギッチギチになったこの間のシュートボクシングとほぼ変わらぬ人数だ。

なんといっても今日の目玉はメインイベント。KO‐D無差別級王者の大社長・高木三四郎に、飯伏幸太が挑む一戦。さらに、MIKAMIvs葛西純ラダーマッチという異色カードに、新日本ジュニアから離脱した稔選手のフランスの親戚、ミノール・ポルナレフが参戦し、イタリアン・フォー・ホースメンのフランチェスコトーゴーやPIZAみちのくと激突!

言うまでもなくDDTという団体の最大の目標は、8月23日に開催される両国国技館大会。ちょうど半年後。今回の後楽園が両国大会に直結するというわけではないだろうが、Road to 両国に待ったなし!というのは間違いない。カウントダウンは始まったのだ。


シングルマッチ20分1本勝負
○ササキ・アンド・ガッバーナ
19分13秒 イタリア式DDT→片エビ固め
●ケースケ・サンタマリア(仮)

日曜19時開始ということもあってか、場内はほぼ満員からスタート。まずは、デビュー直後から惜しくも怪我で欠場を余儀なくされていた、石井慧介の復帰後第3戦(かな?)。石井はリングネームを変更予定だが未だ決定には至らず、復帰以来、仮の名前として「鳳慧介」「ますだ慧介」を名乗ってきたが、今回は上記のとおり「ケースケ・サンタマリア」に。一部報道では(仮)マークが外れているので、これで決定?

試合は、ケースケがエルボーやニールキックでキレる動きを見せるも、ササキのねちっこくもえげつないイタリアンレスリングで追い込まれる。ケースケは丸め込みで食い下がるが、ササキの新技・イタリア式DDTで万事休す。

(感想)
個人的には、もっと物騒な空気になってもよかったんじゃないかなー、と。ケースケ、打撃が得意そうで実際いい動きだったけど、まだ軽そうに見える。しかも、ここ最近は中嶋vsKENTA、棚橋vs中邑などに代表されるように、メジャーの注目試合が打撃中心になってきてるし、団体内には飯伏やKUDO、鳥羽さんもいる。この中で、打撃技中心で存在感を出すのはちょっと難しいんじゃないかなぁ…。


▼1vs2ハンディキャップキャプテンフォールマッチ20分1本勝負
(C)○男色ディーノ
8分49秒 ダブルリストロック
中澤マイケル/(C)●中澤佳耶子

紆余曲折がありすぎて、ここまでの経緯が非常に語りづらい試合(苦笑)。

ポスト・ヌルヌルブラザーズのはずの新ユニット変態團が圧倒的不評のうちに強制終了になり、さらにDDTとの契約更改もまだ未了のマイケル。
「変態行為に溺れるのは私生活が満たされていないからだ」
という認識のもと、マイケルや男色ディーノら様々な事情から私生活の安定を求められている6人が、敗者結婚マッチで戦った。この試合で負け残ったマイケルとディーノは強制結婚の窮地に立たされるが、ここでなんとマイケルに結婚目前の恋人がいることが発覚。

ジェンダー的な問題からなんとかお茶を濁そうとするディーノは、会社から「マイケルのDDT契約を阻止したら結婚免除」という条件を引き出し、マイケルの自宅を急襲。リアル自宅内で激闘の末、なんとか契約のテーブルが用意された新木場1stリングに向かおうとしたマイケルだったが、愛車にはディーノによって爆弾が仕掛けられており大爆発。結局、契約は果たせなかった。

今日のカードは、もつれにもつれたこの誰も得をしない泥仕合に終止符を打つべく、男色ディーノと中澤夫妻(予定)による完全決着戦というわけである。
ああ、長かった…。

さて、佳耶子(かやこ)嬢を舌先三寸で丸め込み、チーム中澤家のキャプテンに仕立て上げたマイケルは、佳耶子嬢を平気で囮に使うわ、「男はこうやって家庭を守るんだ!」と見境なく凶器のイスを振り回すなど、その救いようのない下劣さで会場をドン引きさせる。
しかし、ついに男色殺法奥義・男色ドライバーが繰り出される刹那、けなげな佳耶子嬢は、あろうことか身を挺してマイケルを庇おうとする。「どちらが技を受けるか」で始まった痴話ゲンカを行きがかり上ディーノが仲裁しようとすると、二人は息ピッタリにディーノへトラースキック。
このチャンスに二人は「中澤家フォーメーション」で勝利を狙ったものの、マイケルのスピアーがとんでもない角度で佳耶子嬢に誤爆。場内が壮絶な空気に包まれる中、ディーノはまずマイケルを男色デストロイで破壊、佳耶子嬢の腕を思いっきり極めてギブアップを奪った。

あまりに白々しい惨劇の末、マイケルはようやく「大切なものを守るとはどういうことか」に気づいて改めて佳耶子嬢を守ることを誓い、事前に会社から盗んでおいたというDDTとの契約書を取り出す。
しかし佳耶子嬢はその契約書を破り捨てると、
「私がほしいのはこっちです」
と、婚姻届を取り出す。佳耶子嬢のけなげさに辛うじて救われた観衆の前で、中澤夫妻(予定)は、生涯の愛を誓いあったのだった。

(感想)
…あのねぇ、これは「茶番」ですよ。
マッスルハウス2で酒井一圭HGが自分の息子(幼児)を連れてリングに上がったのもいいかげん非道かったが、明らかにスポーツ経験もなさそうな佳耶子嬢が無理矢理受身を取らされている光景も、ちょっと正気とは思えなかった。
まあ、上にさんざん書いた通り、それなりに長いこと引っ張ってきたネタの回収のためだと思って納得しておくので、これからはちゃんとしてください。
そして、佳耶子嬢、お疲れさまでした。お幸せに!

ディーノは試合後、(ようやく)両国大会へ向けて動き出すことを宣言。「ヤりたい相手がいるのよ」とは誰だ?!
あと、マイケルはキャラ抜きでも好きな選手なので、今さら難しいとは思うけど、たまには普通の試合も見たいです。本気で。

ポイズン澤田JULIE復帰戦 兼 ディザスターボックスメンバー補充査定バトルロイヤル
<1人目>
○安部洋行
3分8秒 首固め
大鷲透
<2人目>
美月凛
4分34秒 ラ・マヒストラル
田村和宏
<3人目>
ポイズン澤田JULIE
4分37秒 ラ・マヒストラル
美月凛
<4&5人目>
○安部洋行
5分25秒 OTR
●星誕期/ポイズン澤田JULIE

あんなに愛していた飯伏にフラれ(経緯は割愛)てから、今度は大鷲親方に粘着し始めた安部ちゃん。千葉方面へ修行に行ったHARASHIMAの後釜を狙って、ディザスターボックス(以下D‐BOX)への加入を直訴する。しかし、大鷲は「身体が小さい」「テクニックがない」「イケメンじゃない」と続けざまに安部の欠点を指摘。
かくして、大鷲が挙げたそれぞれの要素を備えた面々+安部による、D‐BOX新メンバー査定試合が行われることとなった。そしてここに、やや唐突ながら「ディ蛇スターボックス」の結成を掲げつつポイズン澤田Julieも参戦。

被査定メンバーを呼び込み、順に紹介していこうとする大鷲を全員で奇襲して試合開始。一人だけやたらと厳しい張り手をくらいながらも安部が大鷲を首固めで丸め込むと、全員で押さえこんで大鷲がいきなり退場。
あとは…星誕期さんの華麗なラ・マヒストラル(惜しくも決まらず)があったくらいで、よくある攻防の末に安部が勝ち残り。

大喜びで大鷲親方に早くもタメ口をたたく安部を、
「『勝ったら加入』なんて言ってねぇ。これはあくまで『査定』だ」
と突き放す親方。そして、過去にD‐BOXが無闇に増殖してわけがわからなくなったことを(今さら)持ち出し、新メンバー加入の話はご破算に。
大鷲親方「安部よ、お前は特別に俺様の内弟子にしてやる!」
試合後コメントによると、内弟子の仕事は主にちゃんこ屋(大鷲の実家)の手伝いだそうだ。

(感想)
二試合も続けて「煽りの条件が無かったことになる展開」は厳しいぜ…。
あと、澤田さんは復帰戦なんだから、「蛇界転生」で入場してほしかったなー。


シングルマッチ30分1本勝負
●MIKAMI
10分24秒 リバースタイガードライバーonラダー→片エビ固め
葛西純

前回の新木場大会で初対面した二人。ハードコアならなんでもござれの葛西に対し、「ラダー(脚立のこと)使いは俺一人であい」とMIKAMI。

さすがに名手二人の試合だけあって、ラダーによる股間串刺しやラダーを首にかけてのスク〜ルボ〜イ(超危険)、ラダー越しのロメロスペシャルなど、日頃のDDTではちょっとお目にかかれないアブない技が飛び交う。
葛西のパールハーバー・スプラッシュを自爆させたMIKAMIはミッキー・ブーメランで攻め込むが、急所を蹴られたところをラダー上へのリバース・タイガードライバーで3カウントを奪われてしまった。

試合後、MIKAMIの実力を認めた葛西は、MIKAMIの正パートナーであるタノムサク鳥羽がシングル戦線へ参加したのを受けて、自分とのタッグ結成を持ちかける。MIKAMIは
「今日戦ったばっかりで次は組むなんて、そんなプロレスみたいな話があるか」
と拒否するが、葛西は
「ここはガチガチのエンタメプロレス団体じゃねぇか、カタいこと言わずにオレっちと組め!」
とまったく聞く耳を持たず、MIKAMIを拉致同様に抱え上げて強引に控え室に連行していった。

(感想)
どっちかと言えば、スーサイドボーイズ(MIKAMI&鳥羽)vs 045邪猿気違's(葛西&沼澤邪鬼)が見たい、っていうのは俺だけじゃないよね(笑)。でも素朴に、MIKAMI&葛西組が実現したとして、相手は誰?
あと、この試合は技のミス(これは今日の興行全体でもわりと目についた気がする)や、ラダーの破損が目立った。ほんとに大事故にならなかったのは偶然だと思う。くれぐれもお気をつけて…。