DDT2・22後楽園大会その4。

▼エンディング
飯伏が去った後、リング上の三四郎の周りに次々と選手たちが集まってくる。その中には、なぜか試合コスチュームで、三四郎のベルトに挑戦しそうな勢いの藤岡メガネ(基本的には裏方スタッフ)の姿も。
口々にタイトルマッチを訴える選手たちだが、そこに次期挑戦者に決定した佐藤光留が登場。

光留「3月15日、大阪でそのベルト引っ剥がして、DDTのリング、ハードヒットのリング、そしてパンクラスのリングでも絶対防衛戦してやるからな!」
三四郎「なんなら変態使用できてもいいよ。あー、ゴメンゴメン。止めにしたんだったな。いいよ、なんでもいいよ、かかってこい」
光留「絶対にそのベルト獲って俺が両国のメインに立ってやる。それまでここにいる人たちが4月5日に次期挑戦者決定ロイヤルランブルをやるらしいから、どうぞみなさん頑張って、そして僕に挑戦してください。次、俺がKO−D無差別級のチャンピオンになる、パンクラスミッションの佐藤光留だ!」

おお、光留、カッコいいじゃないか!パンクラスマットでのKO‐D無差別級タイトルマッチ…無茶苦茶すぎてちょっと見てみたいぜ。でも、やるなら絶対に防衛してもらわないと大変だ(苦笑)。
そして、三四郎は4月5日の挑戦者決定ランブルは、他団体やフリーの選手にもどんどん参加するよう呼びかけた。

しかし、ここで矢郷良明のテーマ曲がかかり、花道からゆっくりと矢郷さんが登場…しかけるが、リングに集まっていた選手たちがすごい勢いで矢郷さんを食い止め、そのまま会場外へ搬送。
これ、わかりにくいんだけど、矢郷さんには、「参加したチームを次々に解散させていく」という、ジョジョのスタンドみたいな特殊能力がある、という設定なのだ。
三四郎も、「誰でもいいとは言ったが矢郷さんはダメだ!」と断言。矢郷さん、また富山からこのためだけに上京してきたのかなぁ…(苦笑)。

三四郎も退場すると、場内スクリーンには、今日の試合で愛の絆をさらに深めた中澤夫妻の姿が。
マイケルは「2月22日、俺たちの夫婦の日にしよう。結婚してくれ」とプロポーズをしているが、そこを選手たちに追い出される矢郷さんが通り過ぎていく。
すると、佳耶子嬢は

「ねえ、私たちも解散しましょうか?」

恐るべしユニットクラッシャー矢郷!

おしまい。


(興行全体の感想)
さてさて、今回は上で書いたようにメインで個人的に救われたものの、全体としては正直キツい興行だったと思う。
試しに列挙してみよう。

第一試合:若手の修行
第二試合:寸劇&素人女性参加
第三試合:寸劇&多人数マッチ
第四試合:ゲスト参戦
第五試合:ヤス中心の複雑な3スレッド
第六試合:ゲスト参戦

見事に、飾りのついていない試合が存在しないのだ。さらに言えば、飾りの部分を無視して試合の内容を思い出していくと、一番印象に残っているのが「佐藤光留が普通にいいレスラーになりつつある」ということだったように思う。これはちょっと辛いですよ。
そこに加えて、素人女性がキッツい技をくらってたり、透ちゃんがマイクで噛みまくったり、ラダーが壊れかけだったり、ちょいちょい言いっぱなしの下ネタがはさまったり。あと、今回は大小含めて技のミスも多かった気がする。

その上、この観戦記ではかなり意図的に試してみたんだけど、今のDDTは、サイドストーリーがほとんど飽和状態にある。ディーノvs中澤家とかI4Hvs革命軍とか、
「なぜここでこの組み合わせなのか」
をちゃんと理解するためには、これでも端折ったつもりなのだがこんだけの背景説明が必要になっているのだ。
ひとつひとつのネタがすでに頭に入っていたり、あるいは丹念に拾っていけばじゅうぶんに面白いネタだと思うんだけど、それにしても多すぎやしないか。

しかも、これだけやってもなお、ほとんど(あるいは全く)触れられていないネタもある。誕期さんのエクストリーム級王座、どこに行ったかちょっとよくわからないアイアンマン王座、さらに今回は飯伏がシングルタイトル挑戦だったから仕方ないかもしれないが、KO‐Dタッグ王座も、今、誰も振り返っていない状態だ。

考えてみると、今回の後楽園大会は、みんなで「両国を目指す」ことを最後に誓い合う、という光景をプロデュースするための大会だったのかな、と(だったら矢郷さんオチはどうなのか?という気もするが)。

逆に、この結果、今までのストーリーでは
男色ディーノと中澤マイケルの抗争(ただしマイケルの契約問題は未了)
・D‐BOX新メンバー問題
がいったん収束した。
これはつまり、男色ディーノ、星誕期、美月凛音、ポイズン澤田Julieらが現行のストーリーラインから解放されたことを意味する。逆に言えばまたマイケル問題に誰かが巻き込まれるかもしれんが(苦笑)、単純にキャラの立ったメンバーが解放されたことで、次回以降の展開に期待したいと思う。


などとダラダラと考えてきたが、要するに今回の後楽園大会は、今までの展開の区切り、ということになるだろう。
その意味では、こうしてまとめながら振り返るとそれなりにボリュームや起伏のある興行だったと感じられる。
だけど、実際に会場で観戦していた時には、なんて言うか、パッと見てパッとわかるような、頭を使わずに直感的に「いい試合だ!」「いい興行だった!」と思えるような瞬間はちょっと少なかったかな、と思う。

マッスルの武道館大会のことを考えるときにも同じようなことを思うんだけど、「今、現に楽しみにしているファン」に向けた、団体カラーを練りまくった内容だと、両国という1ケタぶん大きい会場に挑むには心細いと思うのだ。
DDTは、本屋プロレスや授業プロレスなど「外部」での興行でその認知度を増してはいるが、肝心の本興行があまり内向きのネタばかりだと、両国まで興味を持続させ続けるのは難しいんじゃないかなぁ。

最初に書いたが、8・23両国国技館大会に向けて、いよいよ始動。
だが、「両国のためだから」ということを免罪符にせず、レギュラー興行の満足度を下げないでハイテンションのまま突っ走ってほしいのだ。
ガンバレ☆DDT!


終わります。おわり。