【祭】5/9〜10・新選組祭り@日野〜高幡不動。

(自分の中だけで)大好評の祭シリーズ。第二回(そして第一部完結編)は、今年で没後140年とタイムリーな、鬼の副長・土方歳三にゆかりの日野で行われた、「新選組祭り」でございます。


しかし、なんで新選組祭りが日野で開催されるのかね?
土方の出身地(で、いくつかある墓所のうちのひとつ)ではあるものの、例えば局長の近藤勇の出身地は調布だし、新選組の母体になった試衛館があったのは市ヶ谷だ。
他の繋がりとしては八坂神社に伝わる天然理心流の額だけど…ぶっちゃけ、これはもう土方歳三という個人への人気であり、その土方の墓所という「看板」をしっかりと押さえた、高幡不動の功績なんだろうなぁ。

そうそう。「しんせんぐみ」って、新撰組って書くもんだと思ってたんですが、新選組でも問題ないみたいですね。


ただ、それはそれとして、高幡不動尊の現住職(?)が閉会式で

司馬遼太郎が『燃えよ剣』の取材でこの寺に来て、土方の戒名を調べていったが、その時はそんな文豪とは知らず、茶のひとつも出さなかった」(大意)

と語ったその話は、『燃えよ剣』のファンのひとりとして熱くたぎるものがありましたな。
なんでって?そりゃ、知りたかったら『燃えよ剣』読みましょう。仮にこの気持ちが伝わらなかったとしても、『燃えよ剣』を読む、ということそのものが、ひとつのいい経験にならないはずがないのでね。


さてさて。この新選組祭りには、2日めに行ってきました。
まずは日野会場・八坂神社で開催された、天然理心流撥雲会(画像1枚め)と、全日本刀道連盟(2枚め)による演武。

天然理心流撥雲会は、近藤や土方、沖田総司が学んだ天然理心流の道統を継ぐ、現代に伝わる正統だそうです。Wikipediaの「天然理心流」の外部リンクでは2番目に記述されてるんですが…ね。

で、全日本刀道連盟とは、古今の剣術から実践的かつ実戦的な技を取り入れ、ただ置かれたものを切る「据え物切り」から脱し、巻き藁などを敵に見立ててその攻撃を想定しつつ、体捌きを交えながら斬撃を繰り出す、という技術を磨いている集団だそうで。
今いちばん偉い(?)人は、大河ドラマの殺陣を指導してたりするそうですが、この方のしゃべり(演武の解説)がまあ巧いこと。最後には
「ウチの道場に見学に来られた方には、わたしの口利きで、大河ドラマの撮影現場に、外部観覧ではなくスタジオの中にまで入れてあげられますよ」
とかおっしゃってました。大河にお気に入りの役者が出演中、という人はチャンスかもしれませんね。

念のため書いておくと、天然理心流撥雲会の皆さんは太さ10〜15cm、重さ1.7kgの大木刀を軽々と舞わせて型を披露したり、刀道の皆さんも巻いたタタミをズバズバと斬ってました。
単純にすごかったです。


で、この後、プログラムを見忘れていたせいで、新選組パレードは日野〜高幡不動へのバスの中からすれ違いざまに(たまたま)鑑賞となりました。

剣道着姿の小学生たちがまず先導。
続いて、大人の部の先頭が、いきなり詰め襟に真っ赤なシャグマを付けた将校に率いられた官軍集団だったので、バスの中でのけぞってしまいました。そして、その後はダンダラ羽織の新選組がゾロゾロと。
これは、普通に路上で見たかったなー。


高幡不動会場に移動すると、これはたまに隊服の人や(たぶん大河つながりで)直江兼続が歩いてるくらいで、まあまあ普通の縁日の光景。
バナナの叩き売りや、修験道の秘法で石を立たせる怪しい山伏(?)という大道芸もありました。

そうそう、以前紹介した金剛桜も元気でしたよ。来年は花をつけてる時に来なくちゃなぁ。


しばらくウロウロしてるうち、パレードの終わった隊士諸君が集合してきて、歳三像の前で閉会式(画像3枚め)。
改めて見ても、まあカメラを向けられると明らかにポージングをキメるようなプロやセミプロ(笑)の方がやはり多かったですが、カラコンしちゃってるような人は一人しか見かけませんでした。隊服もオーソドックスなものばかりで、単純に「若者にも人気」という光景でしたね。平和。

これならむしろ、こういうレイヤーさんたちが集まってくれたほうが、祭り全体が華やかになっていいな、という感じ。賑やかでよかったです。


真夏日寸前の暑さでしんどかったですが、こういう観光メインの祭りも悪くないですな。
まだ祭りとしての体裁は固まってない印象なので、もっともっと色んなことに挑戦してってもいいんじゃないかな、とさえ思います。

えい、えい、オー!