短文

ウツボ。

合コンに、ウツボを連れてきてしまった。 「やだ!気持ち悪い!」「噛まない?」 と、女の子には不評だったが、そのせいで合コンが目茶苦茶になっても、男たちは怒らなかった。 「すげーっ!俺、近くで見るのはじめてだよ!」 「なんつーか、カッコいいよな…

あのたらこの真実。(ガセ文)完全版

<Ⅰ> 予備校の帰り道、公園に立てられた水銀灯の明かりの中に、何か赤いものが見えた気がした。 「たらこ…キューピー?」 それは確かに、CMキャラと独特のテーマソングで人気の、あのキャラクターだった。だが…デカい。さらに、中型犬くらいの大きさの「…

個人的な情景。

(※:この文章はフィクションです。) 路地裏の薄暗い中華料理屋である。 床はところどころひびが入った打ちっ放しのコンクリート。壁紙にはいたるところに正体不明の染みがあって剥がれかかっている。 空いたテーブルの上にはコップの底のかたちの水滴や丼…

怖い話。

苦手なんですよ。書くことより聞くことが。だから書いてても、書きながらシチュエーションを読んじゃうから、書くのも怖いの。 でも、思いついたから書いておく。「夜中に起きてションベンしに行ってさぁ。終わって振り返ったら、トイレのドアが真っ黄色にな…